町田康 東京飄然
- 町田 康
- 東京飄然
町田康のエッセイ。高田の馬場や鎌倉、大阪を訪れる話。
写真も多く載っており、純粋に楽しめる。
いつも思うのだけれども、彼の文章は、
落語のような絶妙に崩れ、リズムのある文体になっており、
それを読んでいるうちに船に心地よく揺られているような感覚があると思う。
鈍行電車に乗っているうちに単調な振動音にさそわれ、
白昼夢をみてしまうような感覚といったらよいだろうか。
特に今作は「きれぎれ」や「パンク侍」のように内容が過激でない分、
文章の巧みさが際立っていると思う。
あと、カバーは写真にのっているよりも数倍格好いいので、それを見るだけでも、
本屋に行く価値はあると思う。