つながい -8ページ目

半落ち

本日のお勧め映画
タイトル: 半落ち

アマゾンレビューより。

   現役警察官の梶という男が妻殺しを自供。ところが、彼が殺人を犯してから3日目に自供してきたことが問題になる。なぜすぐ出頭しなかったのか。梶は空白の2日間のことをいっさい語ろうとしなかった…。
   横山秀夫の同名ベストセラー小説の映画化。主人公を演じた寺尾聡の寡黙の中に人柄をにじませる佇まいが素晴らしい。ミステリーの真相としてはいささか弱いが、空白の2日間の中に秘められた夫婦のきずなには涙する人も多いだろう。原作に忠実な作りなので、原作ファンも大いに楽しめるはず。吉岡秀隆、原田美枝子、樹木希林、柴田恭兵、伊原剛志、鶴田真由などスターたちが、このしっとりとしたミステリードラマをしっかり支える好演を見せている。ちなみに半落ちとは、完全な自供ではないことを言う。(斎藤 香)
 

 

・・・

DVD を借りてきて家で見たのだが、泣いた。

完全に役者の勝利。全ての役者に味があるので、ストーリーが無くても見ていられるくらい面白い。

1.寺尾聡の目尻は相変わらず、卑怯なくらい素敵だと思った。

2.柴田恭平は自分の中では「危ない刑事」の印象だったが、こんなに味のある壮年男性になっていたとは。

3.正義感にあふれる医者か弁護士をやらせたら吉岡秀隆に勝る役者は日本にはいない

4.樹木希林が出てくるだけで泣ける。

5.西田敏行は悪役が最も似合う

6.伊原剛志がむきむきで怖い。

役者だけで面白いのに、ストーリーも、先が読めることは確かだが、素直に引き込まれていける、ちょうどいい展開だと思った。

メッセージ性の強いシーンが多く出てくるが、それがあるがゆえに単純なお涙頂戴にならず、最後まで緊張感をもってみることができたと思う。

やっぱり家で一人見るなら日本映画だな、と思った。

 

東京乾電池 長屋紳士録

芝居

 

東京乾電池 長屋紳士録を見た。

 

とても、よかった。nagaya

スズナリの雰囲気にもあっているし、今の東京の中では下北沢の雰囲気にもあっている。

 

小津映画の長屋紳士録が名作なのはもちろんだが、芝居にして、実際にそこに人がいると、それはそれで映画を超えた面白さ、臨場感がある。「そこ」に昭和初期の人々がいて、ないたり笑ったりめざしを焼いたりしているのを観ると、それだけで2時間はあっという間だ。

 

上質の劇団が作る上質な劇だった。よかった。

柄本明は、間違いなく天才だ。

人生

ジュディマリのボーカル、YUKIの子供が亡くなった。
それを最近知った。

小学生のとき、YUKIの歌と、CDのカバーの色気に
興奮した記憶がある。
本当に、人生というものは、
いかにも人生というようなことが起こりすぎ、
いつも驚かされ、いつも悲しい。
YUKIという生命力にあふれた人に起こる
こういう出来事は、ひときわ悲しい。

最近、みのまわりで亡くなる方が相次ぎ、
その都度、人生がリアルに引き寄せられていく。
「リアル感が無いよね」なんて言っている暇がない気がする。

JUDY AND MARYの
「ステレオ全開」は
すごい生きる力を感じる曲です。

となり町戦争

本日のお勧め本。




著者: 三崎 亜記
タイトル: となり町戦争

すばる文学賞受賞作品。

以下あらすじ(アマゾンより)
天才現わる!? 見えない戦争を描いた衝撃作。
ある日届いた「となり町」との戦争の知らせ。だが変わらぬ日常に、僕は戦時下の実感が持てないまま。それでも“見えない”戦争は着実に進んでいた。「清澄な悪夢」「傑作」と選考会騒然の衝撃作! 第17回小説すばる新人賞受賞作。


最初は、筒井康孝の東海道戦争 みたいなものかと思っていたのだが、そうではなかった。
戦争が始まるのだけど、身の回りには変化がない。何も実感がないまま、だけど、本当はその奥で確実に戦争が続いていてという不気味さが伝わってくる。

われわれが普段の生活の中で、TVや新聞で報道される戦争を実感できないように、隣町との戦争も実感できない。
実感の持てなさが引き起こす悲しさが、自分のもののように感じられた。
冗談抜きで、隣町との戦争って起こりえるような気がした。
そのとき、自分はどうするのか、考えたらちょっとぞっとした。

あと、不条理さと、その正当化される感触は、CUBE に似ているかもしれない。
中身はまったく違うけど。


とにかく、新人とは思えない筆運びのうまさ、メッセージ性の確かさ、「今」を切り取っている感触、どれをとっても、日本人が、日本の小説として、今、読んで面白いと思う。

Fanfare Ciocarlia

今日のお勧め音楽。




アーティスト: ファンファーレ・チォカーリア
タイトル: バロ・ビアオ

Taraf De Haidoksが「世界最速ジブシー・ストリングス・バンド」で、こちらは、「世界最速ジブシー・ブラス・バンド」。

絶対速度は前者のほうが速いかも知れないが、ブラスでこのスピード、ビートを刻まれると、すごい勢いで圧倒される。体感速度はこちらのほうが上か。まさにエネルギーの塊。
しかもメンバーは小太りではげのおっさんばかり。それも格好いいと思わせる音の圧力とリズム。

いわゆるセット・ドラムなしにここまで踊れる音楽を生で演奏できる人たちを、他に知らない。

昨年の夏、錦糸町にコンサートに行ってきたが、帰りにいきなり出入り口の階段に出没し、客からお金を集めて演奏してた。(千円、帽子に入れました)

そういう、根っからのストリート・ミュージシャン。生のほうがいいけど、CDでも、いい!

妄想銀行

本日のお勧め本。





著者: 星 新一
タイトル: 妄想銀行

いわずと知れた星新一のショート・ショート。

私はじつは中学時代に星新一コンプリートを達成したのだが、今回10年ぶりくらいに読み直した。
いくらなんでもストーリーは忘れているだろうと思っていたのだが、落ちを見る前に当時読んだときの驚きと一緒にストーリーをすべて思い出してしまった。
それくらい上質で、一つ一つが練りこまれたストーリーということだと思う。

ちなみにこの本で一番すきなのは、「鍵」。
男がある日、道端で鍵を拾い・・・

星新一には珍しく、読後に不思議な余韻の残る作品。


それから、忘れてはいけないのが挿画の真鍋博氏。
早すぎる死が惜しまれる。


Taraf De Haidouks

本日のお勧め音楽



アーティスト: タラフ・ドゥ・ハイドゥークス
タイトル: バンド・オブ・ジプシーズ


ジプシー音楽である。

ーーー
2000年に引き続き再来日を果たすジプシー義賊楽団のニュー・アルバム。ゲストにジプシー・ブラスバンドの雄、コチャニ・オーケスターを迎え、地元ブカレストでの熱狂ライヴを中心に収録。
ーーー

まずジャケットが格好いい。これだけでも買う価値がある。
買って聞いてみると、もっと格好いい。

タラフ・ドゥ・ハイドゥークスは「世界最速ジブシー・ストリングス・バンド」といわれているが、聞いてみると納得。
そこらへんの軟弱ロックよりもよっぽどビートで聞かせる。X Japanばりの超絶テクニックで聞かせてくる。これを聞いてしまうと、女子十二楽房などは、とてもよくできたポップスだと思うことうけあい。

なにより一つ一つの音の粒が心地言い。弦のこすれる音がダイレクトに感情に伝わってくる。しかも踊りたくなるリズムに乗せて。声も言い。渋い。微妙な音階もはまると抜けられない。

ジプシー音楽である。

Graz


新しいテーマを加えてみました。

今日は、「町」。


オーストリア第二の都市なのに、
誰も知らない、小さな田舎町「グラーツ」。

時計台を構える小高い丘を中心に、
路面電車が家と家の間を縫うように走る町が
ギュッと密集している。

何十年も町の人々を見守ってきた時計台と、
一昨年建てられたクンストハウス・グラーツ
(上の写真)の対比が心地よい。





そしてグラーツにリンクしている人々。

森山大道・・・昔、グラーツで展覧会を開いた写真家。
http://www.moriyamadaido.com/

古屋誠一・・・森山大道をグラーツに呼んだ写真家。

ピーター・クック・・・クンストハウス・グラーツを建てた人。

アーキグラム・・・ピーター・クックが在籍した建築集団。
         ★05/03/27まで水戸芸術館で回顧展。
http://www.arttowermito.or.jp/archigram/archij.html

そして、「Graz」・・の観光局HP
http://www.austria-connection.at/anto/graz/g_top.html



電車男&おたく文化について




著者: 中野 独人
タイトル: 電車男

今さらながらのイマドキネタをひとつ。

どうやら、夏に山田孝之と中谷美紀で映画化され、その後ドラマ化の噂もあるようですが、みなさん、このストーリーどう思いますか?

持ち上げられすぎな「電車男現象」、私はかなり抵抗があります。

別に、この本に登場する電車男、エルメスたん、そしてコメントした2ちゃんねらーについて、とやかく申し上げることは特に無いのですが・・・。

心配していることが2つ。


①勘違い「電車男」がもっと出てくるんじゃないかということ

電車男は、まあそれなりに人助けもして、モジモジしながらも
それなりに頑張ってアプローチしたんだと思いますが、変に勇気付けられた
ひ弱な男子が、メール等で不躾に自分の恋愛感情をぶつけることが多くなりそう。
まあ、恋愛は妄想が楽しいんですけどね。妄想と現実のラインがわからない
人が多くなりそうなのが怖い。
実際、本が流行りだした頃に、似たような被害を私含め数人が受けてたりして・・・。
(だから抵抗があるのか?)

②オタク文化がバンザイな感じ
いいことなのか、悪いことなのかよくわかんないんですけど。
先週末、渋谷で、大型の広告トラックがぐるぐる走っていて。
2ちゃんネコが大々的に書いてあって、変な音楽をかけてて頭が狂いそうだったんです。

気になって調べてみたら、
2ちゃんではやっていたという「恋のマイアヒー」という歌が、
最近エイベックスから発売されたという告知だったと判明。
http://maiahi.com/index.html

モルドバ共和国の言葉で歌ってる(?)ダンストラックらしいのですが、
それが日本語で変な空耳歌に聞こえるらしい。
で、CDにはあの2ちゃんのネコのフラッシュの動画がついてるそう。


なんだかな~。「電車男」も「マイアヒー」も、
コソコソしていたものがうわっと表に出てくる感じ、
エンターテイメント市場が、オタク文化のウワベ部分で
金稼ごうとしてる所がちょっと不健康な感じがするんですよね。

といっても、2ちゃんは私もよく見てしまうのだけど。

ORANGE RANGEのライブに行ってきました。

<ahref="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000666PFC/amebablog-22?dev-t=D3A0EVSPCPV0FK%26camp=2025%26link_code=sp1" target="_blank">
</a>
アーティスト: ORANGE RANGE, ORANGE RANGE, Gerry Goffin
タイトル: musiQ




渋谷公会堂でやっていた、ORANGE RANGEのライブ3DAYS最終日に
行ってきました。演奏がまた上手くなっていて、ライブが本当に楽しい。

彼らのすごいところは色々あるのですが、今回1つだけあげるとすれば、
「自分たちのやっていることを本当に心から楽しんでいる」ってことでしょうか。 
(100%楽しんでやってるメジャーバンドって意外と少ないと思うのです)
そうじゃなかったら、昨年末に爆発的に売れた『MUSIQ』のような作品は、
生まれなかったと思うのです。

イマドキなミクスチャーサウンドや、80年代アイドルポップス調ソング、
電気グルーブっぽいおばかテクノ、民族音楽・・・などが
ごちゃまぜになりながらも、音楽や詩に対する遊び心に感動しちゃうくらい
ポップな形に昇華されているところは、本当に評価するべき点!


上のそれぞれのジャンルはそれぞれのオタクに愛されるだけのものだったのに、
若いギャル達が、ライブ会場で大合唱して暴れてるんですよ!
それって、すごい現象だと思う。
(ただ、かっこいいルックスだけに惹かれてるだけとは思いたくない…)

以前雑誌のインタビューで、このバンドのクリエイティブの核であるNAOTOが
「俺らはなんでもやりたがりのバンド。普通、みんなが躊躇しちゃうところも 
面白がって超えちゃうんですよ」と言っていたのだが、
この言葉がバンドのスタンスを一番あらわしていると思う。
ずっとそれを貫き通してほしい。
最近は彼らを悪く言う輩が多すぎるので。

あまり書きすぎると愛が止まらなくなるので、今日はこの辺にしときます。